来客があり、戸を開けてみると古い友人のゴーレムだった。

ゴールデンゴーレムだ。身体が黄金でできていて、いつもピカピカだ。

「金がいる。スマホのゲームに課金しすぎて、今月苦しいんだ」

ゴーレムはうなだれて言った。

「俺の身体を削って、売ってきてくれないか」

どうしてもと頼まれ、友人の身体を少しだけヤスリで削って、貴金属買取所に売りに行った。

それから友人がどうなったかは知らない。

ある夜、とても小さいノックの音がして、扉を開けた。

ドアの向こうに、爪楊枝《つまようじ》ぐらいのサイズの金色のゴーレムが立っていた。

泣きながら。

――完――